三重大学 工学部
分子素材工学科

大学院 工学研究科
分子素材工学専攻


平成27年度
学科長・専攻長
小海 文夫
 



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学科概要

 私達は、例えば、合成繊維・合成樹脂・ガラス・セラミックスなど様々な合成化合物を利用した製品を日常的に使っており、これらは日々の生活に欠かせないものとなっています。そして、より有用な機能あるいは新しい機能を持った材料を開発するための努力が、日夜続けられています。一方で、フロン・ダイオキシンなど合成化合物による環境汚染が大きな社会問題となっており、また、近い将来に直面するエネルギー問題や温暖化問題は国際社会が抱える重要な課題です。こうした問題は、科学技術の進歩により解決されなければなりません。科学技術の発展には、社会生活を便利で快適にすると同時に、社会生活を安全で豊かなものにすることが望まれます。このように、科学技術は社会と深いかかわりを持っており、私たちの生活と密接に関係しています。

 分子素材工学は、化学の観点から合成化合物を科学技術に応用し、科学技術を発展させていく学問です。 分子素材工学の立場から新物質・新素材を設計・開発することには社会から大きな期待が寄せられており、それらを取り入れた新機能を持つシステムにより種々の可能性が展開されるでしょう。例えば、新たなエネルギー変換技術の開発は、省エネルギー問題を解決する大きな可能性を持っています。環境問題を解決するためには、汚染物質の計測法や制御法の開発が不・ツ欠・ナす。新たな化学合成法は新規材料を開発する基礎となり、バイオテクノロジーを駆使することによって医療の分野で重要な貢献が期待されます。更に、新規材料の開発は情報通信の高速化・大容量化やナノテクノロジーへの道を開き、新規分子の設計は分子機械やナノマシンなど分子レベルでの制御へと展開されつつあります。このように、分子素材工学はいろいろな側面から生活・生命を支援しています。

 本学科では、こうした背景に基づき、有機化学・無機化学・物理化学・高分子化学・分析化学・生物化学を柱にして分子設計化学・生物機能工学・素材化学の観点から教育・研究を実施し、環境に配慮した新規な化合物を合成して広範囲の分野で次世代材料として応用する礎を作っています。
分子素材工学科