私達の身の回りにある全ての物質は個々の分子が集合したものであり、新素材を開発していくための基礎として分子レベルの知見・情報が重要となります。分子素材工学科は、分子の視点から環境に配慮した新素材の開発および新機能を持ったシステムの開発を行い工業的な応用へ結び付けていくことを目指しており、そのために必要な分子および材料の設計・合成・制御・機能評価などのそれぞれの役割を、11研究室で相補い合いながら研究を進めています。
研究分野を大別すると、有機化学・無機化学・分析化学・物理化学・生物化学に分類されますが、「新規材料創成」をテーマに分野間に股がった複合的な研究を展開しています。主要な研究テーマとしては、材料の開発・合成法の開発・分析法の開発・物質の変換・バイオ技術の開発・物性の評価などが挙げられ、例えば、電池材料・発光素子・機能性ガラス・人工臓器用材料の開発や有害物質の分析法と無害物質への変換法など直接生活に係わる研究、有機磁石・ナノカーボン物質・人工細胞・情報変換ペプチド集合体の開発など次世代材料を目指した研究、環境にやさしい有機合成反応・新しい生理活性化合物の合成・不安定な有機物の解析・化学反応のシミュレーション・炭酸ガスの再資源化・モノクローナル抗体の作成・高分子物性の評価・ガラスやセラミックスの低温合成・組織障害再生のメカニズムなど基礎的な研究と多岐にわたっています。